攻めの労務管理1

労務管理とは、就業規則など労働にまつわる規律を管理し、勤怠管理や給与計算などを担う業務です。
重要な経営資源である「ヒト」を管理する必要不可欠な業務なので、どの企業におかれても粛々営々と取り組まれていることです。

しかし、少子高齢化が著しく進む日本においてはこの労務管理も変革を余儀なくされています。
少子高齢化が進むと日本企業の労務環境はどう変わってゆくのでしょうか?
一言でいえば、終身雇用と年功序列に対し、それを維持できなくなった企業側と、それに期待できなくなった労働者側による雇用環境の流動化です。
企業の立場でいえば、必要な社員が必要なときに居ることが当たり前のことではなくなる。
労働者の立場でいえば、働きに応じた評価をしてもらえなければ、不本意に組織から排除されてしまう。
雇用環境の変化により、労務環境にこうしたリスクが常態化する、ということになるわけです。

建設業界はただでさえ、厳しい労務環境にあります。
そのなかでも特に人手不足は深刻です。

人口が減少していることに加え、3K職場というネガティブイメージもあり若年層の建設業在職者の減少が顕著です。
一方の高齢層はというと、全体の人口構成ほど分厚くはありません。
これは一時期の公共工事の激減やリーマンショックの影響により、ベテランたちの多くが離職、退職を余儀なくされたことによるものです。

また、雇用側の環境も厳しさを増しています。
建設業の96.5%(H24/3末時点 資本金ベース)を占める中小企業はその多くが世代交代の問題に直面しています。
平成元年に平均が53歳であった経営者の年齢は平成23年には59歳。
世代交代の指標である経営者交代率は5%から2.5%に低下しています。(以上帝国データバンク「全国社長分析2012」から引用)
経営者交代率が画期的に改善されていないとすれば、現在(令和元年)中小企業の経営者年齢の平均は66-67歳。
中小企業経営者の引退年齢が平均67-70歳といわれています。(中小企業庁委託調査「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」から)

引退年齢が少し伸びたとしても、現在の趨勢ではおよそ半分の企業が5年以内、2/3の企業が10年以内に後継者を見つけるか廃業を余儀なくされるわけです。
特に建設業は間違いなく近い将来、廃業ラッシュに見舞われるはずです。

この状況、まだ若くて活気のある建設企業にとってはチャンスかもしれません。
競合会社が減るわけですから。
しかし、こうしたチャンスを活かすために必要なことがあります。

それは良質な人材確保です。
そのためには若年層の人口減少と3K職場というイメージを克服して行かなければなりません。

そのためには的確な労務管理を行い社員、特に若い人に労働環境に対する信頼を持ってもらうことです。

  • 36協定違反が横行している職場。
  • 残業代が払われない職場。
  • サービス残業を無言の圧力で強いる職場。
  • 成果に対して正当な評価基準のない職場。

こうした労働環境では社員は転職したりモチベーションが低下に直結してくることになり、この悪循環が続けば、最終的には「人材不足」に陥り、企業活動が継続できなくなってしまいます。

労働環境とは労働者が就業する職場の環境諸条件をさしていいますが,広い意味では就労時間や給与も含まれます。
むしろ近年では過労死問題や、政府の働き方改革などで就労時間の管理が大きくクローズアップされています。
優良な社員が定着する労働環境の整備のためには、こうした観点で労務管理の変革が必要になります。

好ましい労働環境を提供する一方で、企業は社員に対し適正な生産性を求めてゆく必要もあります。
適正な、というのがポイントで、まずは求める成果の見える化。
これはできれば成果水準を数値化して、目標設定を社員合意のもとで行うということです。
そのうえで、生産性の分母となる就労時間を正確に把握する必要がここにもあります。

このように大廃業時代をチャンスにするためには

  • 残った企業間で発生する新たな戦いに勝ち抜く
  • そのために自社員に高いパフォーマンスで仕事をしてもらう
  • そのために優良な社員が集まり、定着する労働環境を整備する
  • そのために労務管理の質を格段に向上させる

こういう意図をもってバージョンアップさせた労務管理を「攻めの労務管理」としてクラウド出面管理DMENは提案したいと思います。
そのアイデアを「攻めの労務管理」シリーズとして順次ご紹介してゆきます。

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