攻めの出面管理2

1.で触れたEVM(Earned Value Management)ですが、実は国土交通省の旗振り通りには普及が進んでいません。
しかしそれを承知でEVMによる出来高管理について解説します。
普及が進んでいない背景については別途触れます。

まず、EVMとはプロジェクトマネジメントシステムの1つの手法であり、プロジェクトの進捗や作業のパフォーマンス、今後の予測などを、出来高の価値(通常は金額換算)によって把握・管理する手法です。
計画出来高、出来高、実工事費の3つの管理データを基本データとして、いくつかの指標値を用いて、進捗の把握・分析を行います。
管理できる範囲で細分化された工程を時系列で並べたものを横軸とし、縦軸に金額換算した計画出来高(予算)、実地出来高、実工事費をプロットしてゆくわけです。
EVMでは

  • 計画出来高をPV (Planned Value)
  • 出来高をEV (Earned Value)
  • 実工事費をAC (Actual Cost)

と呼びます。

工事が始まるとやはりPVとEV,ACの間にギャップが生じます。
EVMではその差異を現状の進捗率として一目で把握できるだけではなく、各プロットの延長線上に将来の予測ができます。

進捗率の把握について簡単な解説をします。
この例は3月第4週(WK4)終了時点の出来高の分析です。

まず、第4週終了時点の実地の工程を計画出来高(PV)から水平にプロットします。これがEV曲線の元になります。
この例ではPVで第3週半ばに予定されていた工程が第4週終了時点までずれこんでいるので右側に水平プロットされます。(a)
この(a)は工程遅れと呼びます。
※予定より早く進んでいる場合は左方向のプロットになります。
第4週終了時点の縦軸との交点がこの時点における実地出来高の金額評価になります。(b)

  • 計画出来高(PV)の(c)との差異(b-c)が工程差異(SV:Shchedule Variance)
  • 計画出来高(PV)の(c)との比率(b/c)が工程効率指数(SPI:Schedule Performance Index)
  • 実工事費(AC)の(d)との差異(b-d)が出来高差異(CV::Cost Variance)
  • 実工事費(AC)の(d)との比率(b/d)が出来高効率指数(CPI:Cost Performance Index

これらの指標、指数とあらかじめ決めておいた基準を用いて、是正措置の要否などを判断することで現場における

  • P:Plan
  • D:Do
  • C:Check
  • A:Action

を回すことができるのです。

このPDCAのサイクルはできるだけ短い方がよいです。
現場に負の流れが生じた場合に、その原因の究明と是正が容易にできるからです。
そのためにはPDCAサイクルを回す燃料たる出来高と実工事費をリアルタイム、かつ正確に把握する必要があります。

クラウド出面管理DMENはこれらの情報を自動的に収集し、現場にフィードバックするシステムです。

  • 出面情報に含まれる工事情報により、進行中の工程が把握できます。
    • 計画出来高(PV)からの水平プロットにより、出来高(EV)の更新を行います。
  • 出面に含まれる作業員の入退場記録から稼働実績が把握できます。
    • 人件費は工事費において大きなウェイトを占めますので、稼働人工*単金でおおよその実工事費(AC)が分かります。

こうした仕組みがDMENなら設備負担、費用負担ゼロで導入できます。
是非DMENの活用をご検討ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です