先回に続き、DMENで収集した出面情報をもとに、出来高管理と工数管理を行うアイデアをご紹介します。
先回は計画工数と実工数のプロット方法について説明しました。

今回は工数(人工)を単位とした出来高を計画工数と実工数に重ねてプロットします。

出来高もDMENでダウンロードした出面情報から集計します。

集計にあたっては、事前に山積表なり労務配分表から、工事区分(=工事番号)毎の人工数を紐つけておきます。

そして、出面データを

  1. 工事番号(枝番)>年月日 で順方向にソートします。
  2. 工事番号のグループで最も進んだ日付だけ残し工事区分(=工事番号)毎の人工数を記入します。
  3. 残った行を今度は日付で順方向にソートします。
  4. 計画工数のグラフと重ねられるよう、休日を含むスケジュールを横軸に並べ、ソートされた行の日付に人工数をプロットします。
  5. 空白の日も含めて累計値をとります。これがEVMでEV(Earned Value)に相当します。
  6. これをグラフにして計画工数、累計稼働人工に重ねます。
工事番号のグループで最も進んだ日付だけ残す
想定工数を紐付けた各工程を終了日でカレンダーに配分、累計を出す
横に並べて表にする
工数版EVM曲線

縦軸の共通単位は金額ではなく、人工ですが、工事予算と原価は労務工数と大きな相関性を持っています。
これらのデータをそろえることで、EVMSに準ずる出来高管理と各種の予測が可能になります。

以上がDMENの出面情報を出来高管理に適用するためのアイデアです。

これらの情報から導出できるいくつかの指標を紹介します。

  1. 工程差異 SV: Schedule Variance 評価時点でのスケジュール(工程)に関する予定と実際の差異。
    • 算定式:SV=出来高-計画工数
  2. 出来高差異 CV: Cost Variance 評価時点での「出来高」と「稼働実績」の差異
    • 算定式:CV=出来高-稼働実績
  3. 工程効率指数 SPI: Schedule Performance Index 「計画出来高」に対する「出来高」の割合。評価時点での工程面から見た達成状況を表す
    • 算定式:SPI=出来高/計画工数
  4. 出来高効率指数 CPI: Cost Performance Index 「稼働実績」に対する「出来高」の割合。評価時点での出来高面から見た達成状況を表す。
    • 算定式:CPI=出来高/稼働実績

導出できる予測値も紹介します。

  1. 完成時予測工数 EAC: Estimate at Completion 完成までの必要総工数を評価時点で予測する(見積もる)もの
    • 算定式1:EAC1=稼働実績+(計画総工数-出来高)/工程効率指数
  2. 完成時予測工期 Tec:Time Estimate Completion 完成までの必要工期を評価時点で予測する(見積もる)もの。
    • 算定式1:Tec1 =プロジェクトの評価時点+(当初の工期-評価時点 )/工程効率指数

これらの指標や予測値が100%現状や未来予測に合致しているとは限りません。
またここまでEVMS的な出来高管理の手法をご紹介してきましたが、EVMSを建設プロジェクトに適用する際の弱点もあります。

  1. 出来高という数値にいったん集約してしまうと、工程の中身や工程間の連携が把握できない。
  2. 費用や工数といった、単一価値で評価を行うので、工程毎にばらつきのあるする投入資源の重みの違い(工種による単金の違い等)を反映させにくい。

しかし、これらの課題は再度、集積された出面情報に立ち戻ることで分析できます。

むしろ、こうした一定のルールで導出した指標を利用し、関係者が共通の物差しで評価することが重要です。
これが見える化のポイントです。

近年、人手不足によりますます現場の施工管理者は若年化し、その責任は重くなっています。
彼らを孤立無援にしない体制。つまり、一つのプロジェクトを組織、つまり面で支える体制の構築が、見える化と情報共有の効率化の大きな目的といってもいいでしょう。

今回はDMENで収集した出面情報の出来高管理への適用についてご紹介しました。
途中ご紹介したExcelの加工は少し複雑で、かつ頻繁に行うのは大変です。
しかし、これらの手順をExcelのVBAマクロを利用して効率化させることが可能です。
詳しくは企画工房イッテンキューロクのフォームからお問い合わせください。

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